イギリス製と日本製、ダッフルコートは何が違う?

ダッフルコートの選び方 ・

ダッフルコートを探していると、「イギリス製」「日本製」の文字をよく見かけますよね。でも、ラベルのその一言は、何を表しているのでしょう。表示の決まりとメーカーの公開情報から、読み方をまとめました。なお、当サイトではコートの試着や試験をしていません。

「イギリス製」は、何をした国のこと?

作業台のミシンの下に置いた、縫いかけの紺のダッフルコートの身頃と木のトグル(AI 生成イメージ)
作業台のミシンの下に置いた、縫いかけの紺のダッフルコートの身頃と木のトグル(AI 生成イメージ)

「イギリス製」や「日本製」は、原産国を示す表示です。では、原産国とはどこのことでしょう。

景品表示法の告示は、原産国をこう定めています。「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行なわれた国」。少し硬いので、運用細則の表を見てみましょう。

品目ごとに、その「行為」が書いてあります。「外衣(洋服 婦人子供服 ワイシャツ等)」の欄は「縫製」です。洋服なら、縫った国が原産国というわけです。

生地の「織物」なら、織った国です。ただ、織ってから染めるものは、染めた国になります。別の運用基準では、「イギリス」や「England」も国名の表示に入ります。ラベルを付けることや包装は、「実質的な変更」に入りません。

原産国の表示は、なくてもいい?

ハンガーに掛けたコートの内側に縫い付けた、無地の白いタグ(AI 生成イメージ)
ハンガーに掛けたコートの内側に縫い付けた、無地の白いタグ(AI 生成イメージ)

実は、家庭用品品質表示法は、原産国の表示を義務にしていません。消費者庁の FAQ が、そう答えています。さきほどの告示が決めているのは、書いた表示の中身のほうです。

コートで表示が必要なのは、繊維の組成と洗濯などの取り扱い方。それに、表示者の名前と連絡先です。はっ水性は、レインコートのように水をはじく必要があるコートで表示します。

イギリス政府の案内も見てみましょう。ラベルに載せる情報は、どの製品でも決まっているわけではありません。ただし、載せるなら正確に。どこで作ったかを誤解させてはいけない、とあります。

英国で、織物のラベルに必ず載せるのは繊維の組成です。原産国の欄がない商品は、お店に聞いてみるのも手です。

「生地は英国製」は、また別の話

木の棚に重ねた、紺とキャメルのウール生地の反物(AI 生成イメージ)
木の棚に重ねた、紺とキャメルのウール生地の反物(AI 生成イメージ)

では、英国の生地を日本で縫ったら、ラベルはどうなるでしょう。運用基準に、ちょうどいい例があります。

ラベルに「Fabric made in England」とだけある場合です。その場合は、「日本製、生地は英国製」のように和文で書けばよい、という例です。原産国と生地の国は、別々に書けるのです。

反対に、英国で縫うコートに、イタリアの生地を使う例もあります。GLOVERALL の公式サイトは、英国製のコートごとに生地を書いています。その一つは「Italian wool blend」、イタリアのウール混です。

日本には、国産衣料の認証 J∞QUALITY もあります。織布から染色、縫製まで、すべて国内で行った商品だけを認証すると書きます。その説明には、「従来のMADE IN JAPANを超え」とあります。

ブランドの国と、作った国は同じ?

同じ形の紺のダッフルコート2着と、それぞれに下がった無地の下げ札(AI 生成イメージ)
同じ形の紺のダッフルコート2着と、それぞれに下がった無地の下げ札(AI 生成イメージ)

ブランドの生まれた国と、作った国。この二つも、分けて見たいところです。

GLOVERALL のヘリテージ・コレクションは、英国製です。ロンドン郊外にある、同社専用の工場で作ると書きます。一方、アウトドアのラインや小物は、ほかの場所の協力先が作る、とあります。「made in England」のラベルは、言葉どおりの意味だそうです。

GLOVERALL の歩みは、GLOVERALL の歴史でどうぞ。

カンコー学生服の直販は、ある型を「国内の自社指定工場で縫製した」日本製と書きます。同じ直販の別の型は、原産国が中国です。ブランドではなく、型ごとの原産国の欄を見るのが近道です。

国内で作った服に、外国の国旗やブランド名を付ける。それで国産と見分けにくくなる表示を、告示は不当としています。

衣料品の運用細則には、英国旗の図柄のタグの例も載っています。「デザイン 英国 / 製造 (株)山本屋」と添えれば、不当にならない例です。

英国の「S」は、日本の何サイズ?

平らに広げたダッフルコートと、身幅に当てた巻き尺(AI 生成イメージ)
平らに広げたダッフルコートと、身幅に当てた巻き尺(AI 生成イメージ)

GLOVERALL のコートは、英国のサイズで作られています。公式のサイズガイドには、国ごとの換算表があります。

その表では、メンズの XS(胸囲34〜36インチ)が日本の S です。S は日本の M、M は日本の L に当たります。レディースは、英国の8が日本の7、10が9です。

ただし、これは体のサイズの目安です。同社は、製品ごとの採寸表で確かめるよう書いています。Original Monty は、ニットの上に重ねられる大きめの作り。Freda の slim fit は、体に沿う作りです。

採寸表の数字は、平らに置いて測ったものです。胸が55cmなら、ぐるりと一周でおよそ110cm。手持ちのコートを同じように測って比べるのが早い、と同社は書きます。

まとめ

この下の一覧は、イギリス製と日本製のダッフルコートです。性別や丈、ウールの割合、色でも絞り込めます。

この記事で確かめられなかったこと(6 件)
  • 運用細則の表に「コート」の語はなく、ダッフルコートが「外衣」に当たるとは書かれていませんでした。
  • 衣料の「Made in England」を定めた英国政府の文書は、見つかりませんでした。
  • 「Made in England」と「Made in Britain」の法的な違いは、確かめられませんでした。
  • 英国製と日本製のダッフルの品質や縫製を比べた記事は、見つかりませんでした。
  • 日本人の体形に合わせたという英国ブランドの型は、メーカーの資料を確かめられませんでした。
  • サイズの換算表は GLOVERALL の 1 社分だけで、女性用の「JP」の数字が JIS の号数かも分かりませんでした。
出典(14 件)
  1. 商品の原産国に関する不当な表示(消費者庁)
  2. 商品の原産国に関する不当な表示(昭和48年公正取引委員会告示第34号、消費者庁掲載の PDF)
  3. 「商品の原産国に関する不当な表示」の原産国の定義に関する運用細則(消費者庁掲載の PDF)
  4. 「商品の原産国に関する不当な表示」の運用基準について(消費者庁掲載の PDF)
  5. その他家庭用品品質表示法の全般的事項に関する相談(消費者庁)
  6. 繊維製品一覧表(消費者庁)
  7. Product labelling: the law(GOV.UK)
  8. Textile labelling(GOV.UK)
  9. Made in England Coats & Outerwear(Gloverall)
  10. About(J∞QUALITY)
  11. 【軽量】 日本製ダッフルコート(カンコーオンラインショップ原宿)
  12. 学生におすすめのダッフルコート(男女兼用)(カンコーオンラインショップ原宿)
  13. 「商品の原産国に関する不当な表示」の衣料品の表示に関する運用細則(消費者庁掲載の PDF)
  14. Size Guide(Gloverall)

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